
オンライン授業で集中できない子への工夫
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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「オンライン授業中、気がつくと別のタブを開いていて…」「画面の前にいても、目が泳いでしまうんです」——オンライン家庭教師を始めたご家庭からよくいただくご相談です。今日は、オンライン授業でお子さまが集中できない理由と、家庭でできる具体的な対処を、20年の現場感からお伝えします。
結論:集中できないのは『オンラインだから』ではない
先に結論をお伝えします。お子さまがオンライン授業で集中できない原因は、「オンラインだから」ではなく、ほとんどの場合『環境設計』と『動機』の2つに帰着します。形態を対面に戻しても、これらが解決していなければ、結局集中できません。
私が現場で見てきた集中問題は、①同じデバイスに『誘惑』が同居している ②1コマが長すぎる ③そもそも『何のために』が明確でないの3つに分解できることが多いです。逆に言えば、この3つに対処すれば、画面越しでもお子さまは集中できます。
この記事では、集中を削る3つの正体、集中環境の作り方、1コマの運用、動機づけ、最後に失敗パターンの順にお伝えします。

集中を削る3つの正体
オンライン授業で集中が削られる典型的な原因は、次の3つです。
① 同じデバイスに『誘惑』が同居している
オンライン授業を受けているのと同じPC・タブレットに、YouTube・SNS・ゲーム・LINEが常に同居しています。授業中に着信音が鳴った瞬間に集中が切れる、画面を切り替えると別世界が始まる——これがオンラインで最も多い集中削りの源泉です。私が以前担当したお子さまで、スマホを与えてから1〜2ヶ月で偏差値が60から20台まで急降下したケースを目の前で見たことがあります。
② 1コマが長すぎる
大人の集中力でも、画面越しの講義を90分続けるのは負荷の高い行為です。お子さまが60分以上の1コマで集中を切らさない、はそもそも非現実的な要求だと考えてください。集中力には個人差があり、特に小学生・発達特性のあるお子さまには、20〜30分単位で区切るのが現実的です。
③ 『何のために』が見えていない
「親に言われたから」「塾と違って自宅でできるから」だけが動機だと、お子さまはオンラインで集中を維持できません。「今日のテーマで分かるようになりたいのは何か」「今日の30分で何を解けるようにするか」という具体的な目標が、毎回の授業の入口で言語化されている必要があります。
集中環境の作り方|物理・デジタル・人の3層
集中を取り戻すために、ご家庭で整えられる環境は3層に分けて考えるのが現実的です。
物理層|机のうえと部屋の中
机のうえから授業に必要なノート・教科書・筆記用具以外を全部しまうことから始めます。漫画・ゲーム機・スマホ(授業に使う場合は別ですが)は別室か棚の奥に。テレビが視界に入る場所は避けてください。兄弟姉妹がいる場合は、授業時間中だけ別室で過ごしてもらう・パーテーションを立てる、などの調整も効きます。
デジタル層|授業用と遊び用を分ける
可能であれば、授業に使うデバイスと、お子さまの普段使いのデバイスを分けるのが理想です。同じデバイスを使う場合は、授業中だけ通知を全部オフにする・他のアプリを閉じる・授業に使わないブラウザのタブを全部閉じる、というルーチンを毎回の授業の冒頭で講師と一緒に行うのも有効です。
人の層|保護者の在宅と関わり
オンラインだからといって、お子さま一人で完結させる必要はありません。保護者の方が同じ家の中にいる・初回の数回は同じ部屋の隅で様子を見る・授業後に「今日はどうだった?」と短く聞く、という関わりが、お子さまの集中を後押しします。「親に見られている」プレッシャーではなく「ちゃんと見守られている安心感」が、集中の支えになります。

1コマの運用|20〜30分で区切るのが基本
集中の続く時間は、お子さまの年齢・特性で大きく違います。私の現場感では、小学生は20分、中学生は30分、高校生でも45分が、画面越しでの集中の現実的な目安です。
| 学年 | 1コマの推奨 | 1回の授業の組み立て例 |
|---|---|---|
| 小学生 | 20分集中 + 5分休憩 | 20分×2セット = 50分授業 |
| 中学生 | 30分集中 + 5分休憩 | 30分×2セット = 65分授業 |
| 高校生 | 45分集中 + 5分休憩 | 45分×2セット = 95分授業 |
※ 発達特性があるお子さまや、集中が苦手なお子さまは、上記より短い区切りで始めることをおすすめします。最初は10分×3セットから慣らしていく運用も効きます。
もうひとつ大事なのは、区切りごとに『手元の何かを動かす』ことです。画面に向かって聞いているだけの時間が続くと、お子さまは確実に集中を失います。10分聞いたら3分ノートに書く、15分聞いたら5分問題を解く、というように受動と能動を交互に組む授業設計を、講師と話し合ってみてください。

動機づけの3つの工夫|『何のために』を毎回作る
集中の根本的な支えは「動機」です。お子さま自身が「今日この授業で何を得たいか」を持てるかどうか、ここに尽きます。
授業の冒頭3分で『今日のゴール』を一緒に決める
「今日は分数の足し算を10問解けるようになる」「英語の三単現を5つの例文で書き分けられるようになる」など、授業終わりに自分が『できる』と言えそうな具体的なゴールを、講師と一緒に決めて書き出します。これだけで、お子さまの「今日はこの時間で何のために集中するか」が明確になります。
授業の最後3分で『今日できるようになったこと』を確認
授業の終わりに、お子さま自身に「今日できるようになったことは何?」と説明してもらいます。本人が言語化できる『成果』があれば、次の授業への動機が自然に育ちます。説明できないなら、ゴール設定か授業内容のどちらかに改善余地があります。
週1回の『振り返り』を保護者と短く
週末に保護者の方と「今週の授業でどれが一番分かりやすかった?」「次の週はどこをやりたい?」と短く話す時間を取ってください。お子さまが『見られている』『大事にされている』と感じる関わりが、長期的な集中の動機を支えます。
気をつけたい失敗パターン3つ
オンライン授業の集中問題を悪化させる失敗パターンを3つお伝えします。
① 集中できない=オンラインのせい、と早合点する
「画面越しだから集中できないんだ、対面に変えよう」と判断するのは、原因の半分しか見ていません。私の経験では、対面に変えてもスマホ・テレビ・兄弟の声で集中が削られるケースが大半です。形態を変える前に、環境と動機の整備を先に試してください。
② 1コマを長くして詰め込もうとする
「集中できない時間が多いから、せめて長い時間でまとめて終わらせよう」というのは逆効果です。集中できない時間を長くすることで、お子さまの『勉強嫌い』が育つことが多くなります。むしろ短く区切って、確実に集中できる時間を積み上げるほうが、結果として早く伸びます。
③ 集中力の問題と決めつけて『気合』を求める
「集中しなさい」「やる気を出しなさい」と声をかけても、お子さまの状態は変わりません。集中は気合の問題ではなく、環境と動機の問題として接してください。「集中できる場が整っていますか」「目的が明確になっていますか」を、保護者の方が冷静に分解する姿勢が必要です。
よくある質問
Q. 授業中にスマホを触ってしまいます。どうすれば?
A. 授業時間中はスマホを別室に置く、もしくは保護者の方が預かるのが最も確実です。「自分で我慢する」を期待しても、大人でも難しいことなので、お子さまにできるはずがありません。物理的に距離を取る環境設計が現実的です。スマホを取り上げる時に「勉強の邪魔だから預かるね」より、「集中したい時間だけ預かるね」と表現することで、お子さまの納得感が変わります。
Q. 兄弟がうるさくて集中できません。
A. 理想は授業時間だけ別室で過ごしてもらうことです。部屋数の都合で難しい場合は、パーテーション・ヘッドセット・授業時間中だけ兄弟と一緒に静かな活動(読書など)をしてもらう、などの工夫が効きます。ヘッドセットの選定だけでも改善することがあります。
Q. オンライン授業の時間を短くしたら、進度が遅れませんか?
A. 短時間で集中できた時間の方が、長時間ダラダラ続けた時間より、実は進度が早いです。1コマ20〜30分で集中できる組み立てに変えたら、結果として1ヶ月の進度が増えた、というケースは現場で何度も見てきました。集中していない時間は、進度に貢献していない時間です。
Q. 発達特性があるお子さまの場合、特に気をつけることは?
A. ADHDなどの傾向があるお子さまは、特に「環境刺激の絞り込み」と「短い時間区切り」が効きます。机のうえはノート1冊だけ、視界に入るものを最小限にする、1コマを10〜15分にする、終わるたびに「できた」を確認する——こうした関わり方が、集中の体力を保ちます。発達特性とお子さまの関わり方については、発達障害と家庭教師の記事もあわせてご覧ください。
Q. 親が在宅できない時間に授業を入れて大丈夫ですか?
A. 信頼できる講師であれば問題ないケースが多いですが、最初の数回は保護者の方が在宅していることをおすすめします。お子さまの様子・講師との相性・トラブル時の対応など、初期に確認しておきたいことが多いためです。軌道に乗ってからは、保護者の在宅は必須ではなくなります。
出典・参考
本記事の判断軸は、塾長・松尾の20年の現場経験(学校教員→集団塾→個別指導→プロ家庭教師→オンライン家庭教師→講師育成)と、e!センセイの講師ネットワークから蓄積された運用知見に基づきます。
「スマホ依存で偏差値が短期間に急降下」「1コマは20〜30分が現実的」「集中は環境と動機の問題」などの主張は、塾長が複数の媒体で繰り返しお伝えしている現場感です。発達特性のあるお子さまへの環境調整については、発達障害のお子さまと家庭教師の記事もあわせてご覧ください。
e!センセイの考え
オンライン授業で集中できないのは、お子さまの能力の問題ではなく、環境設計と動機の設計の問題です。だからこそ、家庭と講師の連携で改善できる余地が大きい、と私は捉えています。
e!センセイには、お子さまの集中の続きにくさに合わせて1コマの組み立てを柔軟に変えられる講師、双方向のやり取りで「ここで集中が切れた」を察知できる講師が多く登録しています。お住まいの地域・科目から家庭教師を探す ことができ、オンライン家庭教師の始め方、オンライン家庭教師で本当に成績は上がる?、発達障害のお子さまと家庭教師 もあわせてご覧ください。

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