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少人数教育は子どもの学力を伸ばすのか?②

こんにちは。今回の記事は、「少人数教育は子どもの学力を伸ばすのか」についての続きの記事となります。

少人数教育は、1人1人の生徒に教師の目が行き届くため、子どもたちの学力も伸びるような印象があります。

しかし前の記事で述べた通り、これは検証が難しいため、長年にわたって少人数教育の学習効果はよく分からないままとなっていました

しかし慶應大学の研究チームは、日本の公立学校がもつ「ある特徴」に注目し、少人数教育の学力への影響を明らかにしたのです。

その特徴とは、「公立学校では1クラスの上限は40人であり、1人の生徒が40人学級に転校生として入ってきた場合、20人学級と21人学級に分ける」というものです。

このように、偶然によって同じ学年内で分かれた、40人の学級と20人(もしくは21人)の学級であれば、他の条件がすべて同じままであるため、比較の対象として適切と考えられるからです。

特に横浜市がこのルールを厳格に採用していることに注目し、慶応大学の研究チームによる実験が行われました。実験は小学校、中学校、高校と分けて行われました。

実験の結果は、少人数教育の学習効果に大きな疑問が残るものとなりました。

まず小学校においては、少人数学級の方が国語の成績がやや伸びることが示されました。

しかしその他の教科については、少人数教育による学力向上は見られませんでした。

また中学校、高校ではいずれの教科においても学力向上は見られず、少人数教育が学力を伸ばすという仮説は立証されなかったのです。

意外な結果に思われるかもしれませんが、おそらく教育現場で実際に働かれている方にとっては、妥当な結論にも思えます。

実際、日本で最も東京大学の合格者を出している開成高校は1クラス50人です。また日本で最も学力の高い子どもが通うとされる、兵庫県の灘高校も1クラス55人です。

このような最難関の学校のみだと適切な例になりません。しかし少人数教育が子どもの学力位に与える影響については、慎重に考える必要があります

もちろん、少人数学級が学力向上をさせるという科学的な根拠がないからといって、少人数教育が否定されるわけではありません。学校は学力を伸ばすだけでなく、生活指導なども重要な要素です。これらのことを総合的に考えて、適切な学校選びをしていきましょう。