1人1台のタブレット配布は学習に役立つ?②
今回は、「1人1台のタブレット配布は学習に役立つ?」についての続きの記事となります。
2019年にGIGAスクール構想が始まり、学校現場でのタブレットを用いた学習が広く普及しました。
それでは、タブレットを用いた学習は、子どもたちの学力を伸ばしているのでしょうか。
日本のように「教育のデジタル化」が進んでいる教育現場とは逆に、フィンランドは「教育の『脱』デジタル化」を進めています。フィンランドはかつて、世界一学力の高い国であると言われていました。フィンランドはなぜ脱デジタル化を進めているのでしょうか。
その理由は、タブレットを用いた学習のマイナスの側面が目立つようになったからです。具体的には次の2つのマイナス面が分かっています。
1つ目は、子どもの脳がマルチタスクに対応していないことから起こる、学力の低下です。例えば数学の課題をタブレットで行っている際に、SNSの通知がくるなど、集中力が削がれてしまう、また集中して課題に取り組む習慣が育たないことなどが挙げられています。
2つ目は、デジタル機器の長時間の使用が、子どもたちの身体に悪影響があるということです。学校の授業をすべてタブレットで行った場合、学校だけで6時間も画面を見続けていることになります。これにより、子どもたちの視力の低下や不安感の増大をもたらします。
これらをまとめると、タブレットの使用によって、子どもたちの身体への悪影響があり、また学力低下を招いてしまったということになります。同様の結果が、スウェーデン、コロンビア、チリなどの国々の学校現場で起こっています。
学習のために配布したタブレットが、かえって学力低下を招いたしまっていることは、皮肉な結果ともいえるかもしれません。
しかしながら、タブレット学習には良い面があることも分かっています。
従来の黒板を用いた一斉授業では、クラス全員が同じ進度で学習を行う必要がありました。一方で、タブレットで教材を個々の生徒に配布することができれば、生徒1人1人に合った教材や問題を配布することができます。
出来る生徒はどんどん先へ進んだり難しい問題に取り組み、そうでない生徒は自分のペースでじっくりと学習に取り組むことができます。
これは学力格差を生むようにも思えますが、むしろその差は縮まることが分かっています。なぜなら、特に成績が芳しくない生徒の学力がアップするからです。そのため、むしろ学力格差を縮める方法としても注目ができます。
タブレットを学習の道具と考えれば、やはり使い方次第ということになります。
最近ではどの学校でも、タブレット学習の導入を進めています。学校選びの際には、その学校がタブレットのようなデジタル機器を、どのように学習に役立てているのかを気にしてみてはいかがでしょうか。
