e!センセイ
混乱した生徒の手をいったん止めさせる家庭教師のイラスト

「溺れている生徒」にプールサイドから泳ぎ方を教えていないか

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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。講師は皆、生徒には考える力をつけて欲しい、だからこそ正解よりも丁寧な説明を心がけることが大切だと考えています。しかし生徒目線に立って考えると、このやり方が必ずしも適切ではない場合があります。

溺れている生徒は、まず救ってあげましょう。

授業中に「今何をやっているのか全く分からない」状態に陥った生徒に、横から熱心に説明をしても頭はさらに真っ白になるだけです。先に必要なのは、「分からない場所」からいったん助け出すことです。

この記事では、ある人気予備校の先生が話されていた「プールサイド」の例えを起点に、お子さまが分からなくなったときの正しい関わり方をお伝えします。家庭教師選びの目線にも直結します。

元になった話:「溺れている人にプールサイドから泳ぎ方を教えていないか」

私自身がこのテーマで発信したところ、教える側の方々から多くの共感をいただきました(440件以上の「いいね」をいただきました)。

代々木ゼミナールで活躍した吉野先生(ヤンキーの古文の先生)がある動画の中で、人気のない予備校の先生の特徴を「溺れている人にプールサイドから泳ぎ方を熱心に教えている講師」と例えていて、すごく納得しました。溺れている人はまず助けてプールサイドに上げてから説明を代々木ゼミナールで活躍した吉野先生(ヤンキーの古文の先生)がある動画の中で、人気のない予備校の先生の特徴を「溺れている人にプールサイドから泳ぎ方を熱心に教えている講師」と例えていて、すごく納得しました。溺れている人はまず助けてプールサイドに上げてから説明をし、泳げそうならもう一回プールに入れてみることが講師には必要であると仰っています。 授業中に単元内容が全く分からない、今なにをやっているのか訳が分からなくなっている状態の生徒に、横から色々と説明しているような状態を例えています。そういう状態の生徒に熱心に説明しても余計に頭が真っ白になるだけですもんね。人気の先生は生徒の状況と心理を的確に掴んでいて凄い。

塾長・松尾のXより

代々木ゼミナールで活躍された吉野先生(古文の先生)が動画の中で、人気のない予備校の先生の特徴を

吉野先生の例え(要約)

「溺れている人に、プールサイドから泳ぎ方を熱心に教えている講師」

溺れている人にはまず助けてプールサイドに上げ、そこで説明し、泳げそうならもう一度プールに入れてみる——これが講師に必要な順番だと仰っていました。

「分からない場所」での説明はなぜ届かないのか

生徒がが授業中に「今、何の話なのか分からない」状態に陥ると、頭の中はパニックに近い状態になります。そこにいくら丁寧な説明を重ねても、情報を受け取る回路自体が閉じているので、入っていきません。

保護者の方が、お子さまの宿題を横から熱心に教えていて「いくら説明しても全然分かろうとしない」と感じる場面も、これと同じ構造です。お子さま側に問題があるのではなく、「分からない場所にいる間は、説明は届かない」という人間の特性です。親子間の学習のすれ違いについては、親が中学数学を教えないほうがいい理由|「等式の性質」が崩れるとは別角度ですが、似た現象が起きやすい点を意識すると関わり方が変わります。

良い講師は「助け出してから」教える

実力のある講師は、まずお子さまを「分からない場所」から助け出します。具体的にはこんな順番です。

1. いったん手を止めさせる

「ちょっとペン置こうか」「いったん止めようか」と、まず混乱状態から物理的に降りる場を作ります。「分からないまま頑張る」のを止めることが最初です。

2. 分かるところまで戻る

「どこまでなら分かる?」と本人に聞き、戻る地点を一緒に決めます。今日の単元ではなく、先週・先月の内容まで遡ることもあります。これが「プールサイドに上げる」工程です。

3. その地点から1段だけ進めて、また入れてみる

戻った地点から1ステップだけ前に進め、そこで本人に説明させてみます。説明できたら、もう少し先まで一緒に進む。これが「もう一度プールに入れる」工程です。

これは魔法のテクニックではなく、お子さまの状況と心理を的確に掴んでいるかどうかの差です。失敗しやすい家庭教師選びのパターンは失敗する家庭教師選び|現場で見てきた5つの実例と対策に整理しています。

家庭でも応用できる「助け出してから」

保護者の方がお子さまの宿題を見るときも、同じ順番が使えます。

ひとつ目は、「分かろうとしてくれない」と感じたら、説明をいったん止めることです。お子さまの目が泳いでいたら、もう説明は入っていません。「ちょっと休もうか」と一度離れる勇気が必要です。

ふたつ目は、「分かるところはどこ?」と質問の主語を変えることです。「ここが分からないんでしょ」と保護者の方が場所を指定するのではなく、本人に分かる場所を答えてもらいます。本人が安心できる地点から再スタートできます。

よくある質問

Q. 「いったん止めて戻る」を繰り返すと、授業が進まないのでは?

A. 短期的には進度が落ちます。ただ、分からない場所で説明を重ねた1時間は、結局なにも頭に残らないので、それこそ進度ゼロです。戻って助け出すほうが、長期的には進度も理解度も上がります。

Q. お子さまが「分からない」と言わないタイプです。サインはどう見ればよいですか?

A. 目が泳ぐ・返事が遅くなる・ペンが止まる・うつむく——これらが見えたら、すでに混乱しています。「分かる?」と聞いて「うん」と返ってきても、目線が落ちていたら助け出すサインです。

Q. 家庭教師に「分からなくなったら戻ってください」と伝えたほうがいい?

A. 明示的にお伝えしてよいです。「進度よりも、本人の理解を優先してください」と最初の面談で共有しておくと、講師側も安心して戻る判断ができます。保護者の方が進度を気にしすぎていると感じる講師ほど、戻りにくくなります。

出典・参考

本記事冒頭で紹介した吉野先生の「プールサイド」の例えは、塾長・松尾本人が動画で拝見した内容を、自身のX投稿としてまとめたものです。動画の具体的なタイトル・公開時期は特定できておらず、伝聞であることを明示しています。

e!センセイの考え

お子さまが「分からない」状態に陥っているときに必要なのは、丁寧な説明を増やすことではなく、いったん助け出すことです。家庭教師選びでも、この順番を踏める先生かどうかをぜひ見てみてください。

e!センセイには、進度よりもお子さまの理解を優先できる家庭教師が登録しています。お子さまに合った家庭教師を探すことができます。

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