
国語の問題集では届かないもの|家庭の「話す文化」が学力をつくる
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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「うちの子の国語、問題集をやらせてもなかなか伸びません」「読解力がつかなくて……」——保護者の方からのご相談で、本当によくいただくお話です。
国語の難問は、問題集では届かない領域があります
結論からお伝えします。難関校の国語の入試問題には、問題集をいくら解いても届かない領域があります。そこを支えるのは、家庭で大人と社会のことを話し合う「話す文化」そのものです。
この記事では、ある大ベテランの国語の先生が保護者の方に話されていた言葉を起点に、なぜ家庭の文化が学力を作るのか、家庭でできる具体的な工夫までをお伝えします。
元になった話:灘中の入試問題が問うていたもの
私自身がこのテーマで発信したところ、特に中学受験のご家庭から多くの共感をいただきました(650件以上の「いいね」をいただきました)。
大ベテランの国語の先生が、保護者の方にされていたお話が心に残りました。学習の本質をついているお話です。以下、そのお話の概要です。 「先日の灘中の入試問題で出題されたガザ地区に関する問題、あれは分類でいえば詩の問題です。ではあの問題が解けないとき、国語の問
塾長・松尾のXより
印象的だったのは、その先生のこの言葉です。
国語の先生の言葉(要約)
「灘中の入試で出題されたガザ地区に関する問題、あれは国語の分類でいえば詩の問題です。ではあの問題が解けないとき、国語の問題集を買って詩の問題をたくさん解いて対策をしよう、では当然ダメなんですね。大切なのは、家でそのような問題について大人が話し合うような文化、こういう文化こそが問われているとも言えます」
「形式は詩、本質は文化」というこの先生の見立ては、20年現場にいる私にも腑に落ちました。
「話す文化」が問われているとはどういうことか
難関校の入試問題は、表面的な解法テクニックだけでは到達できない問いを毎年用意してきます。社会の出来事を題材にした論説文・詩・小説——どれも、「家庭で大人と日常的にこのテーマについて話してきたかどうか」が浮かび上がるように作られています。
別の国語の先生も、「親が社会の問題に関心がないのに、子どもが関心を持つはずはない。これは読書においても特にそう」と仰っていました。家庭の関心の総量が、お子さまの国語の上限を作っているとも言えます。
「読む力」は学力の根幹ですが、その根幹は問題集よりも家庭の文化で育ちます。読む力そのものについては、学力が高い子の最大の特徴は「文章を普通に読める」こともあわせてご覧ください。

家庭で「話す文化」を育てる3つの工夫
「話す文化」と言われても抽象的に感じるかもしれません。私が保護者の方におすすめしている、家庭で取り入れやすい3つの工夫です。
1. 食卓に「今日のニュース1つ」を持ち込む
保護者の方が「今日こんなニュースがあったよ」と一言投げ、お子さまに「どう思う?」と聞きます。正解を求めない・否定しない・最後まで聞く、の3点だけ守ります。1日5分でも積み上がる文化です。
2. 大人が「自分も学んでいる姿」を見せる
保護者の方が新聞や本を読んでいる姿、興味のある分野を調べている姿を、敢えて見せます。「大人になっても勉強し続けるんだよ」というメッセージは、言葉よりも姿で伝わります。
3. 答えのない話題を、答えのないまま話す
「戦争」「気候変動」「AIと仕事」——子どもに答えのない問いを大人と一緒に考える機会を作ります。結論を出す必要はありません。「みんなで考える時間がある」こと自体が、入試問題で問われる力の土台になります。
読解力を伸ばすうえで家庭でできることは、国語の読解力を伸ばすには|家庭でできることにも整理しています。

よくある質問
Q. うちは共働きで、ニュースの話をする時間がほとんどありません。何から始めれば?
A. 週末の食事のときに1つだけ、最近のニュースをお子さまと話す時間を作ってみてください。毎日でなくても構いません。「うちの家庭ではこういう話をすることがある」という体験があるかどうかが、お子さまの感覚を変えます。
Q. 子どもが社会のニュースに全く興味を示しません。
A. お子さま自身ではなく、まず保護者の方ご自身がそのテーマに興味を持って話す姿を見せてください。「親が興味のないことに子は興味を持たない」というのは、現場でも実感します。大人が話していることを子は意外と聞いていて、何年か経って繋がります。
Q. 国語の問題集はやらなくてもいいということですか?
A. いいえ、問題集は必要です。基礎的な読解技術や設問の解き方は問題集で確実に身につきます。今回お伝えしたのは「問題集では届かない上限がある」ということで、問題集を否定するものではありません。基礎は問題集で固め、上限は家庭の文化で押し上げる、と分けて考えてください。
出典・参考
本記事冒頭で紹介した国語の先生の言葉および「親の関心と子の関心」のお話は、塾長・松尾本人が業界で関わってきた先生方から伺った内容を、自身のX投稿としてまとめたものです。先生方のお名前は伏せています。
e!センセイの考え
国語の力は、問題集で積み上げる基礎と、家庭の文化で広がる上限の二段構えで伸びていきます。家庭の関心の総量は、お子さまの国語の天井を決める大きな要素です。
e!センセイには、国語の基礎を支えるだけでなく、お子さまと社会のテーマも一緒に話せる家庭教師が登録しています。国語を見てくれる家庭教師を探すことができ、国語の家庭教師を探す 専用ページもあわせてご覧ください。

