
共通テストと2次試験は別競技|配点と対策の使い分け
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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「共通テストで思ったほど点が取れませんでした…2次試験は受けるべきでしょうか?」「逆に共テは取れたけど、2次の過去問が解けません」——大学受験のこの時期に毎年いただくご相談です。今日は、共通テストと2次試験はそもそも『別の競技』だ、という前提から、対策の使い分けまでを20年の現場感でお伝えします。
共通テストと2次試験は『別の競技』と心得る
テストと国公立2次試験(個別試験)は、問われる力・出題形式・時間配分のすべてが違う、まったく別の競技です。
私が現場で何度も見てきたのは、「共通テストでA判定だったのに2次で落ちる」「共テはE判定だったのに2次で逆転合格」というケース。これは特別な偶然ではなく、両者の性質の違いを反映した、自然な結果だとも言えます。
この記事ではまず両者の違いを表で整理し、大学別の配点の見方、共テ後の2次対策の組み立て、私自身の受験体験、最後に失敗パターンの順でお伝えします。共テが終わった瞬間に頭を切り替えられるかが、現役生にとって本当に大きな分かれ目になります。

何が違うのか|形式・時間・問われる力
共通テストと2次試験の違いを、5つの観点で整理します。
| 観点 | 共通テスト | 国公立2次試験 |
|---|---|---|
| 形式 | マークシート(選択式) | 記述・論述中心 |
| 時間配分 | 1問あたり数分で処理 | 1問に20〜40分かけて深く考える |
| 問われる力 | 情報処理速度・読む速度・正確さ | 論理の組み立て・記述力・思考の深さ |
| 出題範囲 | 全範囲を浅く広く | 大学・学部別に偏りあり |
| 平均点 | 毎年大きく動く(科目別の難易度調整がある) | 大学・学部により安定 or 変動 |
※ 共通テストは年によって難易度調整に失敗することがあります。2022年度の数ⅠAは平均が30点台まで落ちました。「数学は偏差値30だろうが80だろうがほぼ0点」と言われた回もあるほど、共テは制度として変動が大きい一面があります。
もうひとつ大事なのは、近年の共通テストは『資料・文章を読みこなす量』が年々増えていることです。「読む速度」が点数を分ける時代で、2次試験の『論理の深さ』とは要求される力が違います。「読む力は鍛えるのに最も時間がかかる能力」なので、共テ対策は早い時期から仕込む必要があります。
大学別の配点|共テと2次のウェイトを見極める
国公立大学では、共通テストと2次試験の配点ウェイトが大学・学部ごとに大きく違います。志望校選びの段階で、「共テ重視」か「2次重視」かを必ず確認してください。
共テ重視型|共テ得点率で勝負が決まる
地方国立大学・教育学部・看護系などには、共テ:2次 = 800:200 など共テのウェイトが大きい大学があります。共テで安定して取れる力があれば有利な型です。共テ重視の大学を狙うなら、共テ模試の判定が比較的そのまま参考になります。
2次重視型|2次の記述力で逆転可能
難関国公立大学(旧帝大の理系、難関学部など)は、2次のウェイトが共テより重いことが多いです。共テで思ったほど取れなくても、2次の記述で取り返せる余地が大きい型です。私自身の受験も、共テ(当時はセンター試験)はボーダーに全く届かないところからの逆転合格でした。
ハイブリッド型|両方バランス良く
難関大学の多くは、共テ:2次 = 1:1 程度のバランス型です。どちらかが極端に悪いと取り返すのが難しいので、両方を底上げする戦略が必要です。
受験する大学・学部の「共テ配点/2次配点/2次の科目」を、必ず高2のうちに確認してください。配点の見方が分からないまま勉強を続けると、努力の方向が大学側の評価軸とズレます。

共テ後の2次対策|1ヶ月で切り替える
共通テスト本番から2次試験本番までは、約1ヶ月。この1ヶ月の使い方が、2次の合否を大きく左右します。
① 共テの結果を引きずらず、頭を切り替える
共テで失敗したお子さまほど、2次直前まで共テの結果に引きずられて学習効率が落ちます。「共テと2次は別競技」を腹落ちさせて、共テ後の翌日には2次対策に切り替えること。気持ちの切り替えは、良い結果につながりやすくなります。
② 志望校の過去問を10〜15年分解く
私が現場でいちばんおすすめしている戦略です。1月後半〜本番までに、志望校の過去問を10〜15年分解く。問題の傾向・頻出単元・時間配分のすべてが、過去問を解くことで分かります。
③ 答案を必ず他人に添削してもらう
2次試験は記述中心なので、自己採点では限界があります。学校の先生・塾の先生・家庭教師など、誰でも構わないので答案を他人に見てもらってください。私が担当した生徒で、11月模試では偏差値が10足りなかった子が、12〜1月に過去問15年分を解いて、答案50〜60枚を全教科の先生に添削してもらって逆転合格した例もあります。

私自身の体験
私の体験をお話します。私が現役で受験した年、前期の名古屋大学はE判定でした。センター試験(当時)はボーダーに全く届かず、他の人の目から見れば絶対に受からない状態で2次試験に向かいました。それでも、「センター試験と2次試験は別競技」と考えることで、センター試験の結果を引きずることなく、リラックスして2次試験に臨むことができました。
一方、後期の神戸大学では、共通テストの点数で『足切り』に引っかかってしまいました。前期の合格通知より先に、後期の不合格通知が届く——当時は本当にショックでした。「情報がないというのは不利だ」と痛感した体験でもあります。
この経験から私が確信しているのは、「共テと2次は別の試験で、別の対策が必要」ということ。そして「2次対策の中身が結果を分ける」ということです。模試の判定の本当の意味は 模試の判定の読み方|A〜E判定の本当の意味と使い方 で別途まとめています。
気をつけたい失敗パターン3つ
共テ後の2次対策で、私が現場で見てきた失敗パターンを3つお伝えします。
① 共通テストで失敗した翌日に志望校を下げる
共通テストの自己採点で「思ったほど取れなかった」と分かった瞬間に、勢いで志望校を下げてしまうケース。1日経って冷静に判断するだけで、選択肢が変わります。共テのボーダー、2次の配点ウェイト、過去問との相性を、必ず学校の先生や家庭教師と話し合ってください。
②共通テストと2次の対策を同じやり方で続ける
「マークシート対策ばかりやってきたから、2次の記述で書く力が育っていない」というケースは現場で本当によく見ます。2次の記述対策は『答案を書いて他人に見てもらう』ことが中心で、共テのマーク対策とはやり方が違います。直前の1ヶ月で切り替えるのではなく、高2〜高3で計画的に両輪を回してください。
③ 過去問を解いて『満足する』だけで終わる
過去問を解いて答え合わせをして、点数を見て、それで終わってしまうケース。過去問は『どこで何を落としたか』を分解して、次の対策に変えるためのツールです。「解いた/解けなかった」だけで終わらせるのは、過去問の使い方として勿体なすぎます。
よくある質問
Q. 共通テストで失敗しました。前期の志望校を下げるべきですか?
A. 翌日に決めるのは早すぎます。共テのボーダー、2次の配点ウェイト、過去問との相性をまず確認してください。2次重視型の大学なら、共テで多少落としても2次で取り返せる余地は十分にあります。しっかりと考えて、学校の先生・家庭教師と話してから判断するのが安全です。
Q. 共通テストでA判定が出ました。2次対策を緩めても大丈夫ですか?
A. 緩めてはいけません。共通テストのA判定は『現時点での位置』にすぎず、2次本番までの勉強の質が結果を決めます。模試でのA判定で気が緩んだ受験生が直前期に追い抜かれるケースをありえます。2次の過去問を解き続けて、本番の感覚を維持してください。
Q. 国公立2次の対策、いつから始めれば良いですか?
A. 高2の終わりから、志望校の過去問を1年分解いてみることをおすすめします。「何が問われるか」を早く知ることで、高3の1年間の勉強の方向が定まります。本格的な2次対策は高3の夏休みから、過去問15年分の演習は1月以降に集中投下するのが標準的なスケジュールです。
Q. 2次の記述対策は塾と家庭教師どちらが向きますか?
A. 答案を1枚ずつ添削してくれる伴走者が必要なので、家庭教師や個別指導が向く時期です。集団塾の授業では1人1人の答案を毎週見るのは構造的に難しい面があります。共テ後の1ヶ月だけ家庭教師に答案添削を集中的にお願いする、という運用も有効です。
Q. 私立大学志望なら、共通テスト対策は不要ですか?
A. 私立志望でも、共通テスト利用入試(共テの点数で合否判定する制度)を併願するなら、対策は必要です。私立第一志望でも、共テ利用で『早めに合格を確保』する戦略が一般的になっています。共テ対策と私立の個別試験対策のバランスは、志望校の入試方式を確認してから組み立ててください。
出典・参考
独立行政法人 大学入試センター「大学入学共通テスト」の公式情報、各国公立大学の入学者選抜要項。共通テストの平均点・難易度調整に関する情報は、大学入試センターや大手予備校(河合塾・駿台・代々木ゼミナール・東進)の公開資料をご参照ください。
「共テと2次は別競技」「A判定で落ちる人、E判定で合格する人は珍しくない」「過去問15年分の答案添削で逆転」などの判断軸は、塾長・松尾の20年の現場経験と、自身の大学受験経験(名古屋大学C判定からの合格・神戸大学足切り)に基づく所見です。
e!センセイの考え
共通テストと2次試験で私がいちばんお伝えしたいのは、「2つの試験は別物だと『共テが終わる前』から腹落ちさせておく」ことです。共テが終わった瞬間に頭を切り替える練習を、高3の秋〜冬にしておくのが理想です。
そして、2次対策の本丸は『過去問の答案を他人に見てもらう』ことです。家庭教師は、過去問添削を1対1で見続けることができる、いちばん向いた指導形態だと考えています。
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