
英語が苦手な子の克服法|つまずきポイント別の立て直し方
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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「他の教科はなんとかなるのですが、英語だけがどうしても伸びません」——保護者の方との面談で、特に多くいただくご相談のひとつです。私自身、中学・高校の英語教員免許を持っており、20年の現場で英語が苦手なお子さまを数えきれないほど見てきました。今日は、苦手のタイプ別に「どこから手をつければ立て直せるのか」を、順序立ててお伝えします。
結論:英語は『語順』の学問。立て直しは順番が命
先に結論をお伝えします。英語が苦手なお子さまの多くは、「英語は語順の言語である」という大前提を体で理解できていません。日本語は「私は・を・に」のような助詞で意味が決まるので、語順を入れ替えても通じます。一方、英語はI see her と She sees me が語順だけで意味が反転する言語です。
ここを腹落ちさせずに「単語だけ」「フレーズだけ」「会話だけ」を積み上げても、英語は崩れたまま積み上がります。立て直すなら、①単語 → ②5文型(語順) → ③文法(例文の型) → ④読解(音読で速度を上げる)の順番が、私の現場経験では最短ルートです。
この記事ではまず「英語が苦手になる4つのタイプ」でお子さまの状態を見極め、その後で4ステップを順に解説します。最後に失敗パターンと FAQ も整理します。

英語が苦手になる4タイプ|まず苦手の正体を見極める
「英語が苦手」とひとくくりに言っても、お子さまによってつまずいているポイントは大きく違います。まずは下の表で、ご家庭のお子さまがどのタイプに近いかを当ててみてください。
| タイプ | 典型的な症状 | 立て直しの最初の一歩 |
|---|---|---|
| ① 単語スカスカ型 | 本文に知らない単語が並び、訳す前に止まる | 中学英単語1200語の暗記を最優先(ステップ1) |
| ② 語順がつかめない型 | 単語は知っているが文の意味が取れない/英作文で日本語の順に並べてしまう | 5文型を「型」として叩き込む(ステップ2) |
| ③ 三単現・時制で混乱型 | 三単現の s を忘れる/過去形・現在完了の使い分けが曖昧 | 例文を丸ごと覚える(ステップ3) |
| ④ 「英語は親しむもの」型 | 聞いたり喋ったりはできるが、書くと崩れる/文法を学ぶ姿勢がない | 「英語にもルールがある」を体験させる(ステップ3への入口) |
※ ④は近年特に増えています。私の現場感では、小学校外国語が「親しむ・喋る」重視で進められた結果、お子さまの中で『英語は何となく聞いて答えるもの』という基本姿勢ができてしまい、中学で文法を学ぶときに「そもそも英語にルールがあったんだ」という反応をするお子さまが多くなりました。
1つに当てはまるとは限らず、①と②、①と④のように複数の型が重なっていることも珍しくありません。重なっている場合は、上から順に潰していけば、必ず崩れは収まります。
ステップ1: 単語|中学英単語1200語を1〜2ヶ月で
英語が苦手なお子さまの9割近くは単語量が不足しています。ここを後回しにして文法や長文に手を出しても、本文の半分以上が「知らない単語」で埋まっていれば、何も読み取れません。
私が以前担当したお子さまの中に、中1・中2の英語が分からないまま、単語の丸暗記だけで早慶レベルの私大に2学部合格したケースがありました。本人は『関係代名詞』や『関係副詞』という言葉も知らないままでしたが、長文の語彙だけで意味を取って解いていました。これは極端な成功例なので真似はおすすめしませんが、「単語量はそれくらい強力な武器になる」という事実は知っておく価値があります。
目安は 中学英単語1200語を1〜2ヶ月で一気に詰める ことです。1日30〜40語を40日続ければ、中学範囲はおおむね片付きます。「少量を長く」ではなく「短期間で密度高く」が、単語暗記の鉄則です。
暗記の助けになる視点を2つ補足します。1つ目は語源で覚えること。book は「本」だけでなく「予約する」、bar は「棒」だけでなく「禁じる」など、名詞と動詞で意味が違う多義語は、語源(コアイメージ)でつなげると効率が一気に上がります。
2つ目は、暗記こそ家庭教師や個別指導との相性が抜群に良いということです。「暗記は自分でできる」と思われがちですが、これはジムのパーソナルトレーニングと同じで、自分の意思だけで継続できる人はそう多くありません。週に複数回、確認テストの形で伴走してくれる人がいるだけで、定着率は大きく変わります。暗記の具体的な技術は 覚えるためのいちばん効率的な方法 で詳しく書いています。
ステップ2: 5文型|英語は『語順』の学問
単語が積み上がったら、次は5文型(第1文型〜第5文型)です。中学英語の文法事項のほとんどは、5文型のうえに乗っかった「派生」だと思って差し支えありません。先に5文型という骨格を入れておくと、後の文法学習が一気に楽になります。
前提となる発想は、日本語は助詞の言語、英語は語順の言語ということです。「私は彼女を見る」は「彼女を私は見る」でも通じますが、英語の I see her を She sees me に組み替えると意味が完全に反対になります。語順がそのまま意味になる——この感覚は、5文型の練習でしか身につきません。
第1文型から第5文型まで、例文を3つずつ書き出してパターンを叩き込みます。塾や個別指導で英語が苦手なお子さまに教えるとき、私は「英語は語順のスポーツ」とお話しします。野球で投げ方をフォーム単位で覚えるのと同じで、英語は文の形を5パターン覚えれば、その後の応用が圧倒的に楽になります。

ステップ3: 文法|ルールでなく『例文の型』で覚える
5文型が頭に入ったら、文法に入ります。ただし、「ルール」として暗唱させる教え方は、苦手なお子さまには向きません。「主語が三人称・単数・現在なら動詞に s を…」のような説明を聞いた瞬間に、お子さまの集中は切れます。
代わりに、例文を丸ごと覚える方法をおすすめします。三単現なら「She plays tennis.」のような短い例文を5つ、過去形なら「I went to school.」のような型を5つ、というように、型を体で覚えるやり方です。
優先順位は、三単現 → 時制(現在・過去・現在完了) → 受動態 → 関係代名詞 → 関係副詞の順が私の現場感です。中1の三単現で躓いているお子さまが、中3で関係代名詞を急に理解できるはずがありません。前から順に潰すのが結局いちばん早道です。
私が以前見たお子さまで、中1のときに「英語にルールがあるなんて知らなかった」と心の底から驚いた子がいました。小学校で「親しむ・喋る」を中心にやってきた後遺症だと思います。ルールに気づかせる瞬間を作ることが、文法の入口では何より大事です。
ステップ4: 読解|音読で語順を体に染み込ませる
最後のステップは読解(長文)です。ここで重要なのは、読む力は鍛えるのに最も時間がかかる能力だということ。単語や文法と違って一夜漬けが効きません。だからこそ、短時間でいいので毎日続けることが鍵になります。
おすすめは、教科書本文を毎日5分音読することです。声に出して読むと、語順が体に染み込みます。黙読で「分かったつもり」になるより、音読で「前から英語の順番で意味を取る」感覚をつくる方が、長文読解の速度は確実に上がります。
長文問題集に手を出すのは、教科書の音読で「日本語に訳さなくても意味が浮かぶ」感覚が出てからで十分です。共通テストや高校受験の英語長文は年々長くなっており、「速く正確に読む」力が点数を分ける時代になっています。これは大学入試まで一貫して効きます。受験のスケジュール感は 受験勉強はいつから始める? もあわせてご覧ください。

気をつけたい失敗パターン3つ
ここまでの4ステップを進めるとき、特に陥りやすい失敗パターンを3つお伝えします。途中で違和感を覚えたら、原点に戻る判断材料にしてください。
① 英検優遇に乗りすぎる
英検は素晴らしい試験ですが、近年は入試の「英検優遇制度(得点保証・推薦要件など)」が拡大した影響で、『中学英語の基礎は曖昧なまま、英検の級だけ追いかける』という不思議な事態も起きています。英検の合格は確かに励みになりますが、中学英文法の基礎ができていないと、高校以降で確実に壁にぶつかります。級だけを目的化しないように、中学英文法と並行して進めるのが鉄則です。
② 単語と文法を切り離して片方だけ
「とにかく単語を覚えれば長文は読める」も、「文法だけ完璧にすれば点が伸びる」も、どちらも実際には両輪が必要です。単語だけで早慶に通った極端な例はあっても、それは本人の運動神経の話。再現性を狙うなら両輪を回すのが正解です。
③ 小学校英語と中学英語の『断絶』を放置
小学校で「親しむ・喋る」中心の英語を経験したお子さまにとって、中学英語の「文法・書く・正確さ」は別物に感じられます。『小学校でやってきたことの延長線』に中学英語があると勘違いしたまま入学すると、中1の途中でパタリと止まります。中学英語の入口で、「英語にはルールがある言語だ」と一度切り替える声かけが必要です。
よくある質問
Q. うちの子は英検3級を持っているのに、中学英語の定期テストで点が取れません。なぜですか?
A. 英検3級と中学英語の定期テストでは、問われる能力が違います。英検はマークシート中心で、リスニングと単語量があれば文法が曖昧でも合格できる側面があります。一方、定期テストは文法(三単現・時制・語順)を正確に「書ける」かを問います。私の現場感では、英検合格と中学英文法の習得は必ずしもイコールではありません。級にこだわらず、中学英文法を例文単位で固めるところからやり直すのが近道です。
Q. 単語と文法、本当に単語を先にやるべきですか?
A. 苦手のお子さまの場合、単語が圧倒的に不足していて文法の例文すら理解できない状態になっていることが多いです。だからまず単語を1〜2ヶ月で詰めるのを優先しています。ただし「単語だけで終わり」ではなく、単語が見える範囲で5文型・文法に進むのが本筋です。両方を時期をずらしながら同時に回していく、と考えていただくのが実態に近いです。
Q. 小学校で英語があまり得意ではなかったのですが、中学から間に合いますか?
A. 間に合います。ただし、かつてのように「中1で全員横並びスタート」だった時代と比べると、小6で英検準2級・2級を持っているお子さまが珍しくない時代に変わっています。「英語だけは中学から頑張れば追いつける」が崩れていることは知っておく必要があります。中1の最初の半年で、5文型と中学英単語の基礎まで一気に走ることをおすすめします。
Q. 高校受験まで時間がありません。どの順番で何を切り捨てるべきですか?
A. 残り時間が3ヶ月以内なら、①頻出単語600語を1ヶ月で詰める、②過去問の長文を毎日1題音読する、③三単現と時制の例文を5つずつ覚える、の3つに絞ってください。関係代名詞や受動態の応用は捨ててもかまいません。範囲を広げず、確実に得点源にできるところだけに集中するのが、短期決戦のセオリーです。
Q. 塾と家庭教師、英語の立て直しにはどちらが向いていますか?
A. 苦手の度合いと、目的によります。集団塾は同レベルの仲間と進められる安心感があり、得意な子と一緒に伸びていくには良い環境です。一方、苦手のお子さまは「他の子に置いていかれる感覚」が辛さになりやすく、ペースを自分に合わせられる家庭教師や個別指導の方が向くことが多いと感じます。特に単語・例文の暗記は伴走者がいると定着率が大きく変わるため、苦手立て直し期だけは家庭教師、軌道に乗ったら塾に戻す、という使い分けもあります。
出典・参考
文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)外国語編」、文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)外国語活動・外国語編」(2020年実施の小学校外国語必修化)。
公益財団法人 日本英語検定協会「英検」級別構成(一次試験形式・合格基準)。級別の出題形式は協会公式情報をご確認ください。
本文中の「単語1200語の目安」「5文型を骨格に据える」「例文を丸ごと覚える」などの判断軸は、塾長・松尾(中学・高校の英語教員免許保有)の20年の現場経験(学校教員→集団塾→個別指導→プロ家庭教師→講師育成)に基づく所見です。
e!センセイの考え
私は受験を見据えるなら、「最初に得意にしておくべき教科は英語」だと考えています。理由は3つあります。① 英語は点数の上下が小さく、努力が積み上がる科目だから。② 単語・文法・読解と、伸ばすステップが他教科より明快だから。③ そして何より、英語ができるかどうかは志望校選びの自由度を直接左右するから。
英語が苦手なまま受験に突入するお子さまほど、選択肢が狭まるのを現場で何度も見てきました。だからこそ、苦手のうちに手を入れるのがいちばんコストが軽いやり方です。立て直しのきっかけが必要な時期に、家庭教師は最も柔軟な伴走者になります。
e!センセイには、英語教員免許を持つ講師・現役の英語教員経験者・帰国子女・英語が専門の大学生など、多様な背景の方が登録しています。「うちの子は④の小学校英語の延長型で…」のように具体的にお伝えいただくと、マッチング精度が大きく上がります。お住まいの地域・科目から家庭教師を探すことができ、高校受験で家庭教師を使うべきタイミング や 受験勉強はいつから始める? もあわせてご覧ください。

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