e!センセイ
英語の単語帳と文法書のどちらを先にやるか考える生徒のイラスト

英語は単語と文法、どちらが先か|20年の現場からの答え

公開

こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「英語の勉強は、単語と文法、どっちを先にやるべきですか?」——保護者の方からも、お子さま本人からも、本当によく聞かれる質問です。中学・高校の英語教員免許を持ち、20年現場で英語を見てきた立場で、今日はこの『単語vs文法』論争に、はっきりとした答えをお伝えします。

結論:両輪だが『優先順位』は存在する

先に結論をお伝えします。「単語と文法どちらが先か」の答えは、両輪を回すのが前提。ただしお子さまの英語のレベルによって『初手』は変わる、というのが私の現場での答えです。

具体的には、中学英語の初級レベル(中1〜中2前半)は『単語と例文』を同時に、英文法の体系を学ぶのは中2後半からが私のおすすめする順番です。一方で、中学英語の文法が一通り終わって、高校英語に入る段階では『単語を急加速させる』ことが鍵になります。レベルで初手が変わるのです。

この記事では、まず単語派・文法派それぞれの主張を整理し、レベル別の答え、単語を先にやるべきケース、文法を先にやるべきケース、最後に失敗パターンを順にお伝えします。

単語と文法が両輪として回ることを表すイラスト

『単語派』と『文法派』の主張

受験英語の世界では、『単語派』と『文法派』の議論が昔から続いています。両方の主張を、まずは公平に整理します。

単語派の主張|単語が無ければ文法は使えない

「文法が分かっても、知らない単語ばかりの文章は読めない」というのが単語派の主張です。私が以前担当した生徒で、中1〜中2の文法は全く分からないまま、単語の暗記だけで早慶レベルの大学2学部に合格したケースがあります。「関係代名詞」「関係副詞」という用語さえ知らないまま、長文の語彙だけで意味を取って解いていました。極端な成功例ですが、単語量はそれくらい強力な武器になり得ます。

文法派の主張|単語を並べても文章にならない

「英語は語順の言語。文法(語順)が分からなければ、単語を並べても意味を取れない」というのが文法派の主張です。I see her と She sees me は同じ単語でも語順で意味が反転するのが英語。「英語は語順の学問」だから、文法(特に5文型)を骨格として先に入れるべきだ、という立場です。

私の立場|両方正しい、ただし順番がある

私の現場感では、両者の主張はどちらも正しい。ただし、「最初に単語、次に文法、最後にまた単語で加速」という3層構造の順番がある、と整理しています。一方だけに偏ると、必ずどこかで詰まります。

レベル別の答え|お子さまの現在地で初手が変わる

「どちらが先か」の答えは、お子さまの今の英語レベルで変わります。レベル別に整理します。

レベル単語の現状文法の現状おすすめの初手
中1初期数百語ほぼゼロ単語+例文(文法は意識せず体で覚える)
中1後半〜中2前半500〜1000語be動詞・一般動詞単語増強+三単現・時制を例文で
中2後半〜中31000〜1500語中学範囲ほぼ全部5文型を骨格として整理(文法優先)
高1〜高21500〜3000語中学範囲+仮定法・分詞構文の入口英文法体系を1冊終わらせる
高2終わり〜高33000〜6000語高校範囲ほぼ完了単語を急加速・長文演習を本格化

※ 上記は中学受験を含まない『公立中→公立高→大学受験』を想定した目安です。中受で英語を扱う場合や、小学校英語で先取りが進んでいる場合は、もう少し前倒しになります。

ポイントは、中学範囲では『単語+例文』で言語感覚を育てて、中2後半〜中3で5文型と文法体系を整理し、高校以降で再び単語を加速させるという3層構造。これが、私の現場感でいちばん効く順番です。

英語学習のレベル別の優先順位を表す道筋のイラスト

単語を先にやるべきケース

次のようなお子さまは、まず単語に集中投下するのが効きます。

中1で『英語そのものに馴染んでいない』

小学校英語で『何となく聞いて喋る』だけで中学に上がり、英語の単語が頭に入っていないお子さま。まず中学英単語1200語を1〜2ヶ月で詰めるところから始めるのが正解です。文法は単語が見える状態でしか入ってきません。

高3で時間がない受験生

高3の夏以降に「時間がない」状態の受験生は、文法を完璧に固める時間がないなら、単語と熟語を優先してください。長文の語彙が分かれば、文法が曖昧でも『大意を取って解く』戦法は使えます。完璧主義は禁物です。

苦手の度合いが極端に大きい

「中3で book を dook と書いてしまう」など、文字と音の対応すら曖昧なお子さまは、文法より、まず単語の綴りと音の対応を体に入れるところから始めてください。文法書を渡しても意味が読み取れないので、効率が悪くなります。

単語暗記に集中する生徒のイラスト

文法を先にやるべきケース

逆に、次のようなお子さまは、文法を先に固めるのが効きます。

単語はあるのに長文の意味が取れない

「単語は知っているのに、文章の意味が取れない」「英作文で単語を並べただけのちぐはぐな文を書く」お子さまは、5文型と語順の感覚が体に入っていないのが原因です。文法(特に5文型)を骨格として先に整理してください。

三単現・時制・関係詞で混乱している

「三単現の s を忘れる」「時制の使い分けが曖昧」など、文法の基礎で混乱しているお子さまは、例文の型で覚え直すことが効きます。ルールとして暗唱させるより、「She plays tennis.」「I went to school.」のような例文を5つずつ覚えて、型を体に入れるのが近道です。

中受で先取りが進んでいる

小学校で英検準2級・2級まで取っているお子さまや、中受で英語を含むコースに通っているお子さまは、中学に入る前から文法体系を意識的に学ぶことが有効です。「親しむ・喋る」だけで中学に上がると、文法を初めて学ぶときの違和感が大きくなります。

気をつけたい失敗パターン3つ

「単語と文法、どっちが先」を意識しすぎて陥る失敗パターンを3つお伝えします。

① どちらか一方に偏る

「単語だけ」「文法だけ」のどちらかに数ヶ月以上偏ると、もう片方が崩れます。両輪は同時に回す前提で、月単位で配分を変えるのが現実的です。例えば「今月は単語7割・文法3割、来月は4割・6割」のように、配分を意識して回してください。

② 単語を『単語帳』だけで覚える

単語帳のスペル・意味の暗記だけで終わると、実際の文章で出てきたときに意味が取れないことが多いです。単語帳と並行して、教科書や入試問題の長文で『使われている単語』を読む経験を積んでください。単語は必ず文の中で意味が変わります。

③ 文法を『ルールの暗唱』で済ませる

「主語が三人称・単数・現在の場合、動詞に s を付ける」というルール暗唱は、苦手なお子さまには逆効果です。例文の型を5つ覚えて、その型を真似て自分で英作文するほうが、結局は早く・確実に定着します。

よくある質問

Q. 中学英単語、どのくらい覚えれば良いですか?

A. 中学範囲の必修英単語は約1200語と言われています。中3までにこの1200語が書ける・意味が分かる状態にあれば、高校英語の入口は問題ありません。私の現場感では、1日30〜40語を40日続ければ中学範囲が片付くペースです。短期集中で詰めるほうが、長くダラダラやるより定着します。

Q. 英単語は語源で覚えるべきですか?

A. 中学レベルの基本単語は、語源を意識せず音と意味で覚えるほうが速いです。語源で覚えるのが効くのは、高校以上の単語(特に多義語)です。例えば book は『本』だけでなく『予約する』、bar は『棒』だけでなく『禁じる』など、名詞と動詞で意味が違う多義語は語源で繋げると効率が一気に上がります。

Q. 中学英文法、いつまでに固めれば良いですか?

A. 中3の1学期までに、be動詞・一般動詞・三単現・時制・受動態・関係代名詞の基礎を固めるのが理想です。中2の2月までに5文型と関係代名詞まで一通り触れていれば、中3で復習しながら定着させられます。逆に、中3の夏休みになっても三単現が曖昧な状態なら、高校受験まで間に合わせるのに集中投下が必要になります。

Q. 高校英語、単語と文法のどちらに時間を割くべきですか?

A. 高校英語の基礎が固まっていない段階では文法、基礎が固まったら単語の急加速、という順序が一般的です。具体的には、高1で英文法体系を1冊終わらせて、高2〜高3で単語を急加速させる流れ。大学受験までに3000〜6000語の単語量が目標です。

Q. 塾と家庭教師、英語の単語・文法の伴走にはどちらが向きますか?

A. 「英単語の暗記」は伴走者がいることで定着率が大きく変わる領域です。スポーツジムでパーソナルトレーニングをつける感覚に近く、家庭教師や個別指導が向きます。集団塾の授業では、お子さま個別の単語暗記の進度を毎週見るのは構造的に難しい面があります。文法は集団塾でも家庭教師でも効きます。

出典・参考

文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)外国語編」「高等学校学習指導要領(平成30年告示)外国語編」。中学英単語の必修語数(約1200語)、高校英単語の目標語数は、学習指導要領と各検定教科書の語数を参考にしています。

「両輪を回す前提で、レベルで初手が変わる」「単語の急加速は高2終わり〜高3」「単語暗記は伴走者がいると定着率が上がる」などの判断軸は、塾長・松尾(中学・高校の英語教員免許保有)の20年の現場経験(学校教員→集団塾→個別指導→プロ家庭教師→講師育成)に基づく所見です。

e!センセイの考え

「単語と文法どちらが先」の議論で私がいちばんお伝えしたいのは、「両方を月単位で配分を変えながら回す」のが現実的、ということです。どちらか一方に偏ると、もう片方が崩れて、結局効率が悪くなります。

そして、お子さまの現在のレベルによって『初手』が変わるのも忘れないでください。中1初期と高3直前では、優先順位が180度違います。塾や家庭教師の先生に、お子さまの現在地を確認してもらうところから始めるのが、戦略の入口です。

e!センセイには、英語教員免許を持つ講師、現役の英語教員経験者、英語が専門の大学生など、多様な背景の方が登録しています。お住まいの地域・科目から家庭教師を探す ことができ、英語の家庭教師を個人契約で探す 専用ページや、英語が苦手な子の克服法小学校英語の落とし穴覚えるためのいちばん効率的な方法 もあわせてご覧ください。

e!センセイとは

いい家庭教師と、きっと出会える。

e!センセイは、審査を通過した家庭教師だけが掲載されるマッチングサービス。誰もが納得できる価格で、お子様との相性の良い先生と出会えます。