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家で本を読む子どもと読解の難しさを表すイラスト

国語の読解力を伸ばすには|家庭でできること

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こんにちは。e!センセイ塾長の松尾です。「国語だけがどうしても伸びません」「文章題で点が取れません」「本を読まないので心配です」——保護者の方からよくいただくご相談です。今日は、国語の読解力を伸ばすには何が必要で、家庭でどんな関わりができるか、20年の現場感からお伝えします。

結論:読解力は全教科の土台、伸ばすには時間がかかる

先に結論をお伝えします。読解力は国語だけでなく、すべての教科の土台になる力です。算数の文章題、理科・社会の長い記述問題、英語の長文——どの教科のテストも『問題文を正しく読む』ことから始まります。

そして重要な前提として、読解力は鍛えるのに最も時間がかかる能力です。単語の暗記や計算と違って、1ヶ月で目に見える変化を出すのは難しい。だからこそ、早く始めて、長く続けることが本質的な戦略になります。

一方で、私が現場で感じているのは、「読解力を伸ばす方法」はあいまいに語られすぎているということ。「本を読みなさい」「文章をたくさん読もう」では伸びません。この記事では、読解力を『語彙・構文・論理』の3層に分けて整理し、家庭でできる具体的な3つの工夫を、学年別の取り組み方とあわせて解説します。

読解力の3層(語彙・構文・論理)を表すイラスト

読解力の正体|語彙・構文・論理の3層

「読解力」と一括りにされがちですが、実は3つの層が重なっています。お子さまがどの層で詰まっているかを見極めることが、対策の出発点です。

問われる力詰まっているサイン
① 語彙知っている言葉の数と質知らない単語が並ぶと立ち止まる/言い換えられない
② 構文1文の構造を見抜く力主語と述語の対応が取れない/指示語が分からない
③ 論理文と文・段落のつながりを掴む力「だから」「しかし」の関係が読み取れない/主旨をまとめられない

※ 私が現場で見てきて、苦手なお子さまは①の語彙と②の構文でつまずいているケースが多い印象です。最初から「論理」を鍛えようとしても、土台が崩れていれば伸びません。

ある研究者の方が、「学力が高い子の最大の特徴は『文章を普通に読む能力』」と表現していました。私の現場感とも完全に一致します。読解力が高い子は、特別な技を使っているわけではなく、知っている言葉で書かれた文章を、最初から最後まで自然に読み通せるだけなのです。

逆に、算数の文章題で『ハチャメチャな計算』をしてしまうお子さまの多くは、計算力の問題ではなく、問題文を正確に読めていないだけのことが多いのです。「読み・書き・計算」の中で、読むことが最も基本だ、と私は考えています。

なぜ読解力は伸びにくいのか

読解力が伸びにくい理由を3つに整理します。これを知っておくと、焦らず長期戦に持ち込めます。

① 量を投下しても短期では結果が出ない

計算は1万問解けば伸びますが、読解は1万文章読んでも『目に見える結果』が出るまでに時間がかかります。結果が見えないので、ご家庭もお子さまも続ける動機を失いやすいのが、読解の難しさです。

② 何を伸ばせばいいかが見えにくい

「読解力」の正体が分からないと、「とにかく本を読ませる」「問題集を解かせる」という雑な対策になってしまいます。語彙か・構文か・論理か——どこに穴があるかを見極めずに進めても、伸び方は鈍くなります。

③ 共通テスト時代に求められる量が一段上がった

近年の共通テストは資料・文章が年々長くなっており、『速く正確に読む』力が点数を分けます。東大合格者を多く出す中学校の入試の国語は、大人が読んでも難しいレベルです。求められる読解の負荷が上がっていることが、お子さまが読解で苦戦する大きな背景です。

家庭でできる3つの工夫

読解力を家庭で伸ばすために、私がいちばんおすすめする3つの工夫をお伝えします。塾や家庭教師に頼る前に、ご家庭で日常的にできることが、土台を作ります。

① 親子で『1段落要約』を遊びにする

新聞のコラムやニュース記事を1段落だけ読み、「これ、ひとことで言うと何の話?」をお互いに言い合うゲームです。短くまとめる力=論理的に読む力に直結します。読書感想文より遥かに実用的で、しかも会話の中で楽しく続けられます。

② 知らない言葉を一緒に調べる時間を作る

辞書を引く・スマホで調べる、どちらでも構いません。重要なのは、保護者の方も一緒に調べる姿勢を見せること。「分からない言葉をそのままにしない」習慣は、語彙力の最大の支えです。小学校低学年なら、生活の中で見かけた言葉から始めるのが効きます。秋なら『秋刀魚』『紅葉』など、季節の言葉を会話に出すことから。

③ 子どもの興味のある文章から始める

スポーツが好きなお子さまならスポーツ記事、ゲームが好きなお子さまならゲームの攻略記事、料理が好きなお子さまならレシピでも構いません。興味のある文章で『読む楽しさ』を体感させることが、苦手意識を消す最大の道です。「教科書の文章でなければダメ」と思わず、お子さまの世界の文章から入ってください。

親子で読んだ文章について話し合うイラスト

学年別の取り組み方

学年・年齢に応じて、効く取り組み方は少しずつ変わります。私の現場経験から、学年別のおすすめをお伝えします。

小学校低学年(小1〜3)|生活と言葉を結びつける

「秋はサンマがおいしい」「北海道では雪が降る」のように、日常の言葉を会話で広げる時期です。読書を強要するより、絵本の読み聞かせと、生活の中で言葉を増やす関わりが効きます。

小学校高学年(小4〜6)|要約と説明の練習

新聞のコラム(500字程度)を1日1本読んで、「ひとこと要約」を口頭で言えるようにする練習が効きます。読んだ本の感想を保護者の方に話してもらう習慣も、論理力に直結します。中学受験を意識する場合は、語彙の幅を意識的に広げてください。

中学生|評論文と論理接続詞の練習

中学から評論文が出てきます。「だから」「しかし」「つまり」など、論理接続詞の役割を意識して読む練習が効きます。問題集の解説を読んで「なぜこの答えになるか」を自分で説明できるかが、論理力の指標です。

高校生|共通テスト形式と『速読』

高校生は共通テストの長文に慣れることが優先です。『資料を含む長文を時間内に処理する』訓練が必要になります。共通テストの過去問・模試を計時付きで取り組むのが、いちばん実戦的です。

学年別の読解力の取り組み方を表すイラスト

気をつけたい失敗パターン3つ

読解力を伸ばそうとして、現場で見てきた失敗パターンを3つお伝えします。

① 『本を読みなさい』だけで終わらせる

「本さえ読めば読解力がつく」は誤解です。ただ目で追っているだけで、要旨を掴んでいない読書は、読解力を育てません。読んだ後に「どんな話だった?」と短く話す時間を、必ずセットで作ってください。

② 短期で結果を求めて挫折する

読解力は1ヶ月で結果が出ません。「半年〜1年単位で見る」覚悟が必要です。短期で結果を求めて続けるのをやめてしまうと、これまでの蓄積も無駄になります。続ける動機を保護者の方が支えてあげてください。

③ 苦手のお子さまに難しすぎる文章を渡す

読解が苦手なお子さまに、いきなり評論文や難しい問題集を渡しても、ますます読解嫌いを育ててしまいます。「本人が読めるレベル」より1段だけ難しい文章を選ぶのがコツです。挫折させない難易度設計が、続ける最大の鍵です。

よくある質問

Q. 本を読ませようとしても、興味を示してくれません。

A. 「本」にこだわらず、文章なら何でも良いと割り切ってください。スポーツ新聞・漫画・ゲームの攻略本・YouTubeのコメント欄でも、文章である限り読む練習になります。お子さまが興味を持つジャンルから入って、徐々に幅を広げるのが、結果として早道です。「読書感想文」のような評価される読書ではなく、「面白いから読む」体験を優先してください。

Q. 読解問題集を解かせていますが、点が伸びません。

A. 問題集を解くより、まず『解説を一緒に読む』時間を取ってみてください。問題を解いた後に、なぜその答えになるかを、お子さまの言葉で説明してもらいます。説明できないなら、読解の土台ができていないサインです。問題集の前に、語彙と構文の基礎に戻る必要があるかもしれません。

Q. 小学校低学年から塾に通わせるべきですか?

A. 塾に通わせるかは、ご家庭の方針次第ですが、低学年で読解力を伸ばす一番の場は『家庭での会話』だと私は思います。生活の中で言葉を広げ、絵本の読み聞かせを続けることが、塾に通うより効くケースが多いです。中学受験を視野に入れる場合は、小3〜小4から塾という選択肢も出てきます。

Q. 中学受験で国語の読解力をつけるには、何から始めれば?

A. まず語彙です。中学受験用の語彙集を1冊終わらせるだけでも、読解の基礎が変わります。次に、入試問題の物語文・論説文を月に5本ずつ読み、「主旨を3行でまとめる」練習をしてください。中学受験の国語は、塾の宿題だけだと読解の練習量が足りないことが多いです。家庭での補完が効きます。

Q. 塾と家庭教師、読解力の改善にはどちらが向いていますか?

A. 「お子さまが今どの層で詰まっているか」を見極めて、その層に合わせて関われる先生が必要です。集団塾は授業のカリキュラム通り進むので、個別の躓きに合わせて戻るのが構造的に難しい面があります。家庭教師や個別指導なら、語彙・構文・論理のどこで詰まっているかを1対1で見極めて、戻り先を決めてから進めることができます。

出典・参考

文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)国語編」「中学校学習指導要領(平成29年告示)国語編」「高等学校学習指導要領(平成30年告示)国語編」。読解の到達目標と学習段階はこちらをご参照ください。

本文中の「読解力は鍛えるのに最も時間がかかる能力」「学力が高い子の最大の特徴は文章を普通に読める」「共通テストは資料・文章が年々長い」などの判断軸は、塾長・松尾の20年の現場経験(学校教員→集団塾→個別指導→プロ家庭教師→講師育成)に基づく所見です。

e!センセイの考え

読解力で私がいちばんお伝えしたいのは、『すぐ伸ばそうとしない』ということです。1ヶ月で結果を出す力ではなく、長く育てる力。だからこそ、早く始めることと、続けることの2つが本質的な戦略になります。

ご家庭での会話と読書の時間を大切にしつつ、お子さまが学年に応じた読解の壁にぶつかったタイミングで、塾や家庭教師の力を借りる——これが、私の現場感での最も現実的な進め方だと考えています。

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